田舎だより 2015年9月号

 天高く馬肥える秋、昔よく使われた秋に対しての言葉ですが、今日では、スポーツの秋とか読書の秋とか、それぞれの生活感覚での秋があるようです、わたしたち農家にとっては、まさに実りの秋であり、収穫の忙しい秋であります。

 収穫の秋を迎えて今年の田んぼは写真のように大きな稲穂が、たわわに垂れて見事な田んぼになりました、稲にとっては、今年の夏に猛暑が続いた事が大変に良かったのでしょう、しかし今度は、せっかく良く出来た稲が秋雨によって倒れてしまうのが心配でなりません、雨が降るたび心配しています。

  それにしても、私たちの東北地方には、今年は台風が今のところ一度も来ないのが幸いですが、農家は収穫が終わるまでが心配です。

  さて、次の写真は何でしょうか、

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私たちの地方でも、この畑でしか見られない珍しい作物です、畑の近くを通る人たちには、たびたび質問されたりしていますが、これは、高キビと言う作物です、5月号の私の便りで紹介しました、梨本清太さんが作っている雑穀の一種です、初めて作った昨年は余り出来が良くなかったようですが今年は見るからに立派に成長して沢山収穫されるでしょう。

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 梨本さんは、この他にも粟や稗なども沢山栽培されていて、地域の人たちからは、どんな食べ方や販売をするのかと大変に注目をされているところです、私も気になりまして梨本さんに尋ねてみますと、白米にキビや粟など雑穀を入れて雑穀ご飯にして食べると,豊富な食物繊維によって腸の環境が整え、腸の働きが良くなって病気に対しての免疫力も高まると思います,ということでした

 ところで、医療の父と言われている古代ギリシャのヒポクラテスは、食べ物で治せない病気は医者にも治せない、と言われた言葉は今でも有名です、日本人にとっては、米や雑穀は食べ物の原点です、私たちはその食生活によって受け継がれてきた日本の伝統食こそが、今大事になっているのではないかと思いてなりません。

 こんな言葉もあります、「宝物」とは(田からの物)から転じた言葉で、稲作を通じて養われた勤勉さや品格で日本人は豊かになった。これを語った人は分からないのですが、平安時代の初期に書かれた東大寺の諷踊文の中に、それを裏付ける記録があるそうです。

 食べ物の豊富な時代になりましたが、米や穀物、そして日本の野菜は大事にして行きたいものであります。

 

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