田舎だより 2020年10月号

今年の稲刈りは例年になく順調に終わりました、取れ高の方は平年作と言う事でしたが、大変に残念なことには、農家の売り渡し値段がコロナ禍の影響などがあって大分下げられてしまいました。農家の人たちの生産意欲がますます無くなることが心配です。

 そこで、一句詠んでみました,来る年も上がるばかりの機械代、買われゆく米ぞ悲しき、  短歌は米に例えて詠んでみましたが、米作りに励む農家の人たちの思いです。今日の農業経営は農業機械の発達によって楽しい農業がやっと出来るようになってきましたので、せめて生産費に見合う米の最低保障価格さえあれば生産者の人たちは、みんな喜んで生産に励むところであります。

   ところで、わたしの家でも大きな機械から小さな機械までほとんど揃いました。下の写真はトラクターと稲を刈り取るコンバインと言う機械ですが各機械とも500万円でした、その他に乾燥機、籾摺り機、玄米機選別機、籾搬送機、この四つの機械は稲を刈り取って玄米にするまでの機械ですが、春先の田植え時期に使う田植え機や畔塗機などもありまして機械代だけでも1600万円からの投資をしているわけであります。そして籾の乾燥や籾摺りをする作業所は、1000万円ほど掛かっておりますから米に賭ける生産費は大きなものになっています。

しかし、みなさん農家の人たちは、それでもご先祖さんから受け継がれてきた大事な農地を荒らしてはならないと言う深い思いでみんな頑張っておられるのです。そして私など80歳を超えた今でも百姓仕事が出来るのは便利な新しい農業機械のおかげでもあります。

  さて、ここで私が長年やって来た米作りの話をしておきたいと思います。下の写真はミネグリーンと言う田んぼや野菜畑に使う生産資材ですが、わたしはこの資材を田んぼに使うようになってから、米に粘りが出てご飯が冷めても、歯ごたえが、あるようになり、美味しい米になりました。普通の米作りよりは、コストが高くなるのですが、あるとき、私の米を食べているお客さんから、 鈴木さんの米を食べるようになったら子供がお替りを出すようになりました、と言う手紙をいただきました、わたしにとっては正に百姓冥利に尽きる思いでした、私はこうした方々に励まされて、今になっても齢など忘れて米作りを楽しんでいるところです。

 

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