田舎だより 2022年11月号

今年の稲刈り作業も終ってホっとしているところです。今年は家を継いでくれる息子が田植えから田耕、そして代掻き作業や稲刈りまで全部やってくれましたので、わたしとしては大変楽な思いの毎日でした。それだけに、妻の野菜作りに手伝うことが出来ました。
ところで、米の取れ高のほうですが、昨年よりは沢山取れました。まあ平年作と言うところでしょうが、誰も怪我も無く無事に終わったことを喜んでいるところです。

 

 

さて、今年の晩秋の田園風景は今までと比べて大変に様変わりしてきています。写真はその様子ですが、10月下旬には、今までならほとんどの田んぼは稲刈りが終わって稲がなくなりましたが、今年は写真のように稲刈りがされない田んぼが沢山残っています。解説しますと、それは小さい農家の方が米作りを止めて大きな農家がその分を請け負うようになってきたからです。私の地域では、もうすでに70町歩(70ヘクタール)も一手に請け負って頑張っている業者もあります。これからの農村はこうした事態がますます多くなるのではないかと思います。
それは時代の変化と言うしかありませんが、わたしが一番心配していることは、稲刈りが遅れれば遅れるほど米が美味しくなくなるということなんですよ、そして米の作り方も堆肥など有機質資材など使わずに化学肥料ばかり使うことになり、農薬も多く使いますから消費者のみなさんにとっては必ずしも良い農法とは言えないのではないかと思っています。
それと、賢明な農家の人たちは、米でも野菜でも美味しい食べ物を作るには大事なことは土作りだ、と言っておりますし、田舎だより5月号でも書きました、土が変わればお腹も変わる、と言う話、食物研究の専門家たちまで土作りは人の健康にまで影響すると言っていますから、化学肥料や農薬ばかりに頼る大きな農家だけが残ればよい、と言うのは疑問でなりません。
さて、今度は野菜の話になりますが、私の家では沢山の種類の野菜を作って居ます。大地で育てた野菜は美味しいし、体の免疫力をも高めてくれるのではないかと思って家族や子供、孫たち親戚の人たちに上げるために作り続けています。その大事な野菜がスーパーなどで高騰が続いているようで驚いています。スーパーで数々の野菜の値段見る度思いますのは、最近は野菜の最盛期を迎えてもそんなに値下がりも無く高値が続いていることにも驚いています。
さらに驚いていることは、昔は農家の人は自分の家で食べる野菜は各家でみんな作って居ましたが、最近は作ることなくほとんどの農家は買って食べるようになりました。こうした食の流通の変化が野菜の高値が続く原因の一つになっているのではないかと思えてなりません。
みなさん、今日の国のやり方は大きな農家を育てるのが方針のようですが、農村が疲弊していったら、食べる米か美味しく無くなったり、野菜の値段が高値続きになって行くようでしたら消費者のみなさんにとっても必ずしも良い世の中とは言えないのではないかと心配しているところであります。
そこで生産者は生産者米価の最低価格保障制度を強く求めているところです。みなさんも応援してください。
次の写真はサトイモの殻で寒風に当てて乾燥している風景です。保存食として愛用されています。今年も沢山出来ました。

 

 

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