田舎だより 2023年12月号

令和5年も終わりの月になってしまいました。今年1年いろんなことがありました。私にとって忘れられないことは、厳しい暑さが長く続いたことでした。福島県では30度以上の日が44日間つづきました。わたしは朝と夕方僅かな時間だけ野菜の手入れなどしただけで、昼間はク―ラの部屋で過ごす毎日でした。いつも作って居る自家野菜も高温のため何もかも順調には育ちませんでした。

さて、消費者のみなさんも生産者も困ったのは何と言っても物価高が今尚収まらないことではないでしょうか。田舎のスーパーなどでもネギ1本100円、白菜一株400円など野菜の高騰が続いています。毎日買って暮らしている消費者の皆さんは大変だろうと思えてなりません。農家にとっても生産資材の値上がりで大変です。それでも今年の生産者の米価は昨年より少しばかり上がりましたが、生産費には追い付くものではありません。米作る農家はますます減るばかりです。田舎の方では写真のように最近パレードやデモが起きるほどになってきました。そして一部新聞報道によりますと来年の米の端境期には米が足りなくなるとの報道などもされ始めています。ミサイルよりも食料、の声は農家の人たちばりでなく、消費者の人たちにも、その声を大きく上げていただきたいと思っているところです。

 

 

自然災害もそっちこっちで大変でした。雨降れば大洪水が起きて田んぼや家が浸水されて、天気が長く続けば農業用水の貯水池が枯れて稲などに大きな災害をもたらしたり、外国などではいつまでも続く山火事が起きたり、また田舎では野生の動物たちが増えて農作物を荒らす被害も頻繁になり困り果てています。

今年はこうした良い事がさっぱりなかったところに、10月からはインボイスと言う農家や中小業者いじめの税金取り立てが新たにはじめられました。これは地域の産直所に出荷して、年に30万、40万円位の収入の農家にも税金を取り立てると言う制度です。農家の年寄りたちが楽しみにしている僅かな収入にまでも税金をかけると言う正に冷酷きわまる制度であります。多くの人たちは反対しています。

それと日本は自国で作るよりも輸入した方が安いからと言って輸入にばかり頼って来た食料も円安の影響で値上げが続くばかりです。ところが最近になって輸入の物より国内産の方が安くなってきた例が出て来ました。わたしの地域でナタネ油を搾っている梨本あぶらやさんの話だと、今までは輸入物の油粕の方が安かったけれど、最近は私が作る油粕の方が安くなりましたと言っていました。やっぱり野菜でもなんでも国内産の作物を沢山つくることではないでしょうか。多額のお金を出してミサイルなど買うよりも、野菜など農作物を沢山つくらせて食料の自給率を高めた方が、野菜などの高騰を抑えるに役立つだろうと思えてなりませんし、農村地方の産物が売れるようになれば農村地域の経済もそれだけ繁栄するわけですから、日本の食料の自給率をもっともっと高めることを願うばかりです。

それに最後になりましたが、今年のわたしの玄米には籾がかなり多い苦情がきています。それでも一等米には合格していますが、これから調製したりして出荷する予定でありますので何卒よろしくお願いいたします。

今年も干し柿を作ってみました。何となく穏やかさを感じる農村の風物詩でもあります。

 


(管理者追記)

文中に「輸入物の油粕」とあるのは、正確には「輸入菜種で作られた油粕」です。

 

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