春3月を迎えても北陸や北日本地方では何十年ぶりと言う大雪に見舞われて大変なようですが、私の棲む福島県南地方は正月以来カラカラ天気が続いています。時折冷たい風によって雪がちらつく日があったりして寒い日がつづく毎日ですがやっぱり大地の躍動は始まっているのでしょう。庭先の福寿草や蠟梅の花が咲き始めています。
さて、3月は農家にとっては税金の申告時期でもあります。昨年の生産者米価が久しぶりに大きく値上がりまして大変喜んでいました。そこで今年の税金はどのくらいになるのか心配しながら計算してみたら心配したほど税金は出ない計算になりました。それは生産資材の値上がりにありました。農家にとって沢山使う肥料や農薬は昨年の倍近い値段になっていましたし、農業機械に使う燃料費なども上がり続けています。農家は米の値段が上がったからと言って決して喜んでは居られないのが実情です。世間では農家の米の値段が上がったから、これから米作りの農家が増えるだろうなどと言う人もいるようですが、その期待が持てる状況ではありませんでした。
ところで、みなさんが食べているお米の値段は上がるとも下がらないようです。スーパーの米の値段は相変わらず5キロ3500円から4000円になっていました。5キロ3500円の米は1キロにすると700円になります。農家が売る米の値段は60キロで2万2千円なので、1キロにすると僅か367円です。しかしスーパーの店頭に並ぶ白米5キロの値段は3500円からになっています。米は精米すると3割ほど減りますから、1キロ700円×57で農家から60キロ22000円で買った米が39900円にもなってスーパーで売られています。農家から2万2千円で買ったコメが、みなさんには4万円相当で販売されていると言うわけです。つまり農家から買った米の2倍の値段で販売されているわけであります。米の流通過程でどんなことが起きているのか心配しているところであります。
また、米は昔から日本人の健康を守るうえで大変に大切な役割を果たしてきているようです。明治時代の人で食養医学の基礎を築かれた方に、石塚左玄と言う方が居ります。この人は、人類はもともと穀食動物ある故に、米や大豆などを中心とした穀食が日本人には適した食べ物です、と言われています。だから米や大豆の発酵食品である納豆や味噌が今尚日本人の食べ物として長い間大事に愛用されてきているのではないでしょうか。
わたしは一日も休まず毎日ご飯、納豆、みそ汁だけは欠かさず食べています。今年で米寿を迎えました。元気で今年も農業手伝っています。次の写真はブロックリーの苗がハウスの中でそだてられているところであります。5月ぐらいになると食べられるようになるでしょう。